スマホやゲームで遊んでばかりいる中学生の子供の姿を見ると、ついつい「勉強しなさい」言いたくなりますよね?
しかし、勉強しない中学生に対して「勉強しなさい」と言っても、逆効果になってしまう可能性があります。
今回は、勉強しない中学生を「ほっとく」ことに対するリスクと中学生が勉強をしない原因について詳しく解説していきます。
この記事を最後まで読む事で、勉強しない中学生にすべきアプローチの方法を理解することができます。
目次
勉強しない中学生をほっとく「リスク」とは!?
結論から言うと、「勉強しない中学生をほっとく」と以下のようなリスクがあります。
- 勉強しない癖が付く
- 分からない分野が増えていく
- 学校の授業についていけなくなる
基本的に勉強時間が減ると、その分だけテストで問われる内容を理解できなくなり、成績は下がってしまいます。
ただ、全ての中学生に当てはまる訳ではありません。中にはほっといても成績が悪くならない子もいます。
このような子には親が深入りして、口を出しすぎると、逆に勉強に対する気持ちが冷めてしまい、成績が落ちてしまうかもしれません。
このようなケースでは、子どもをほっとくことが逆に成績UPまたは維持する方法となるかもしれません。
全国の中学生の1日の平均勉強時間は?
2020年の「子どもの生活と学びに関する親子調査」(東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所が行った調査)による中学生の1日の平均勉強時間は以下のようになります。
全国中学生の1日の平均勉強時間 | |
中学1年生 | 2時間1分 |
中学2年生 | 1時間48分 |
中学生3年生 | 2時間26分 |
中学に入学してからの1年生と高校受験が控えた3年生は勉強時間が2時間以上と長い傾向にあるようです。
しかし、2年生は、学校生活に慣れて少し勉強する時間が減る傾向にあるようです。逆に言うと2年生は、他の子との差を広げられる、または縮められる大切な時間と言えます。
親がほっとくべきタイミングはある?
親として子供の学習を支えてあげることは非常に重要ですが、子供が自分から進んで勉強するなどのモチベーションが高い時は、そっと見守っておくことが大切です。
より具体的に言うと、子供が自分で勉強の計画を立て、それに従って進めることができるようになったときは、ひとつの大きなサインです。
計画性が育つということは、自分自身の学習をコントロールできる能力が身についてきたという証拠です。
このように子供がやる気になっている時は、褒めるなどの声がけさえも邪魔になってしまうかもしれません。
ただし、やる気というのは、時間が経つと必ず下がってしまうものなので、子供がやる気を失ったとき、問題に直面をした時の声をかけてあげるといいでしょう。
勉強しない中学生にイライラした時の対処法
全然勉強しない子供を見ていると、イライラしたり、怒りたくなることもあるかもしれません。
しかし、親がイライラした態度を出したり、怒ったりするのは、逆に子供のやる気を奪い、余計に勉強が嫌いになってしまう可能性があります。
その感情を抑えて、「どうすれば子供は勉強する気になるのか?」「子供が勉強をしない理由は何か?」を一緒に考えてあげることが大切です。
そのためにとっても大切なのが勉強する環境作りです。中学生が勉強しやすい環境を整えてあげるだけでも、勉強に対しての取り組み方は大きく変わります。
勉強しない中学生に疲れた時の対処法
勉強しない中学生に対して「疲れた」と感じたら、疲れる理由を見つけることが大切です。
例えば、「何度注意しても言うことを聞かない」という場合で考えてみましょう。言うことを聞かないから、しつこく何度も同じことを言っても効果は期待できません。
勉強しない中学生は、「勉強したくない原因」が必ずあります。この原因を見つけることで、正しく対処する方法が分かるはずです。
まずは、中学生が勉強をしない原因を考えてみましょう。
勉強しない中学生の原因を考える
勉強をしない中学生には、勉強できない原因が必ずあります。この勉強できない原因をつきとめることで、何をすれば良いかが分かるようになります。
教育心理学の研究では、学生の学習モチベーションは①好奇心、②自己評価、③環境の3つの要素に大きく影響されるとされている事が明らかになっています。
これらが学習意欲を減少させるのに大きく影響します。より具体的に勉強をしない中学生の原因を4つ紹介します。
- SNSや動画ばかりを見ている
- 学校の勉強についていけていない
- 目標がないからやる気がでない
- 発達障害の可能性
SNSや動画ばかりを見ている
最近では、SNSやYouTubeなどの楽しいコンテンツが無料で利用できるため、それに費やす時間は年々増えている傾向にあります。
特に、このSNSやYouTubeは、簡単に閲覧できるのに対して、中々見るのを辞められないようにできています。
また、SNSに関しては、仲の良い友達も当たり前に利用していることから、「今友達は何をしているんだろう?」と、ついつい開いてしまいますよね?
そのため、中学生の中には、半分依存している状態の子もおり、中々勉強することができずに悩んでいる場合があります。
このような子は、自分でコントロールするのが難しくなっている可能性があるので、親が制限をしてあげると効果的と言えます。
学校の勉強についていけていない
元々勉強が苦手な子供の中には学校の勉強についていけないため、勉強を避ける傾向にあります。
授業が進むスピードについていけない、あるいは、先生の説明を理解できないという状況が続くと、勉強に対する自信が失われ、避けるようになることもあります。
この場合、自分一人で解決しようとしても難しい場合が多いため、親や教師、友達、塾の先生など、信頼できる大人に助けを求めることが大切です。
個別の教育支援や塾、家庭教師などを利用し、自分に合った学習スピードや方法で学ぶことが大切です。
また、学校の成績だけが全てではないということを理解することも重要です。学習は一生続くもので、短期的な失敗は必ずしも長期的な成功の妨げにはなりません。勉強が苦手な中学生も、自分自身を信じ、少しずつ前進することで、成長し続けることができます。
目標がないからやる気がでない
「目標を持っている子」と「持っていない子」では当然やる気に大きな差が生まれます。
- 学校のテストで○○点以上とる
- ○○の高校に行きたい
- 将来は○○になりたい
目標がはっきりしないと、勉強の目的や方向性が見えにくくなり、なかなか手を付けることができません。
まずは自分だけの目標を持つことが大切です。この時いきなり大きな目標を立てる必要はありません。
まずは達成できそうな目標にしましょう。簡単な目標でも達成すると必ず達成感を得る事ができます。
人間は、小さな達成感の積み重ねていくことで、やがて大きなやる気に繋がります。
本を一日10ページ読む、一週間で問題集の一つの章を終えるなど、達成可能な目標から始めてみてください。
始めはスモールステップでもやがて大きな目標を達成することができるようになりますので、自分自身を信じて、少しずつ前進しましょう。
発達障害の可能性
勉強をしない中学生の中には発達障害の可能性もあるかもしれません。
発達障害と言っても、色々ありますが、一般的に勉強しない中学生で考えられるのがADHD(注意欠如・多動症)やASD(アスペルガー症候群)などです。
このような発達障害を持っていた場合、興味のあるなしがハッキリと現れます。興味があることには、とてつもない集中力をみせる一方で、興味の無いことに対しては、全く集中できず、長続きしません。
もし、発達障害の疑いがある場合は、病院に行ってきちんと診断してもらいましょう。
ほっといても「伸びるタイプの中学生」
勉強しない中学生の中には「ほっといても伸びるタイプ」の子もいます。そんなタイプの子は、じっくりと時間をかけて自分なりの学び方を見つけ、自己成長していく力を持っています。
そんな子に対しては親はあまり、口を出しすぎると逆効果になってしまうので注意が必要です。
自分の子が、ほっといても伸びるタイプの子なのかどうかを見極めておく必要があります。
- 好奇心が強い
- 理解力が高い
- 問題解決能力が高い
ほっといても伸びるタイプ①:好奇心が強い
好奇心が強いという特性を持つ子どもたちは、勉強が得意な傾向にあります。
好奇心が強い子どもたちは、自分の興味が引かれるところに目を向け、新しい事物や知識を探求します。
教科書を読むのではなく、自分が気になることについてインターネットで調べたり、関連する本を読んだりします。
このような子どもたちは、自分自身の興味と好奇心を信じて追求することで、時間と共に知識を深め、思考力や問題解決能力が自然と養われていきます。
ただ、好奇心が強いだけでは、時として学校の勉強以外に向けられる可能性もあります。
好きな事に打ち込むのは悪いことではありませんが、中には全く勉強をしなくなる子もいるため、親がどうすればその興味を学校の勉強に向けられるかが重要となります。
例えば、科学に興味がある子には、実験キットを与えて理科の学習に結びつけたり、歴史に興味がある子には歴史的な場所を訪れる旅行を提案したりすると興味がわくかもしれません。
子どもたちの自発的な学びに対する興味と関心を尊重しつつ、それを教育的な活動につなげていくことで、学びは自然と深まります。その結果、好奇心が強い子どもたちは放っておいても成績が伸びていくことでしょう。
ほっといても伸びるタイプ②:理解力が高い
「理解力が高い」タイプの中学生は、学校の勉強において大きなアドバンテージを持っています。先生が言うことをすぐに理解できるため、当然ながら、授業に対する理解がより深まる為、テストの成績も上がりやすくなります。
では、理解力が高いとはどういうことでしょうか?
それは情報をすばやく処理し、それを自分の知識として吸収できる力のことを指します。
このような生徒たちは、先生の説明をすぐに理解でき、新しい情報をすでにある自分の知識にうまく組み込むことができます。その結果、学びが自然に深まり、成績向上へとつながります。
このように理解力が元々高い子に対しては、あまり介入しすぎない方が良い可能性もあります。
もちろん勉強する時間が長くなる程成績は上がりやすくなりますが、無理に勉強させようとしてストレスを与えてしまうと、逆に勉強嫌いになってしまうかもしれないので注意が必要です。
ほっといても伸びるタイプ③:問題解決能力が高い
ここでいう「問題解決能力」とは、何か分からない問題や壁に当たった時に自分自身で解決策を見つける力を言います。
問題解決能力が高い子どもたちは、壁に当たったとしても、まず問題を正確に理解し、それから解決策がないかを探し、与えられた問題や課題に対して自分で考えて答えを導き出すことができます。
このような特徴を持っている子は、一度壁に当たっても、自分で対策を考えて解決することができます。
問題解決能力を判断するためには、子供が何かの問題に直面した時、まずは一度様子を見ると良いかもしれません。
自分で問題解決できるタイプか助けが必要なタイプかを判断することができます。
「ほっといても伸びるタイプ」にも少しの助けは必要?
「ほっといても伸びるタイプ」の子でも、親からの適切な助けや支援は必要です。
ただし、それは感情的に「○○しなさい」というのではなく、子供の性格を理解して努力できる手助けをしてあげましょう。
例えば、子供が新しい趣味や習い事に興味を示したとき、その興味を深めるための本を買ってあげるなどです。
「ほっといても伸びるタイプ」の子供でも、時々は背中を押してあげたり、適切な質問で考えを深めてあげることが必要です。親としては、子供の成長を優しくサポートし、その可能性を最大限に引き出してあげることが大切です。
ほっといたら「ダメなタイプの中学生」
次に、ほっといたらダメなタイプの中学生の特徴を解説していきます。
先ほどは「ほっといても伸びるタイプ」の中学生の特徴を紹介しましたが、割合で言うと「ほっといたらダメなタイプ」の方が多い為、1つでも当てはまる場合は、対策を行なう必要があります。
- 自己評価が低い子
- 集中が続かない子
- 気が散る環境で勉強している子
- 落ち込みやすい子
ほっといたらダメなタイプ①:自己評価が低い子
「自己評価が低い子」は勉強に対して、壁に当たったり、つまずいたりを繰り返すと自己嫌悪に陥ってしまいます。
- どうせ自分にはできない
- 才能が無いから無理
- 勉強は苦手
このような理由から自己評価の低い中学生は、どんどん勉強をしなくなっていく可能性があります。
自己評価が低い子は、自分自身の能力や価値を適切に評価できていない可能性が高く、自分に自信を持てないため、新しいことに挑戦する勇気を失うことがあります。
自己評価が低いと、勉強を頑張っても自分自身が満足することができず、また自分の成功を適切に評価できず、徐々にモチベーションが低下してしまいます。
このような中学生に対しては、以下のようなサポートが有効です。
- 得意な事を見つけてあげる
- 成功体験をたくさんさせる
- 勉強の仕方を一緒に考える
このようなサポートによって、自己評価の低い中学生でも自信を持つことができ、自分自身の力を信じて前に進むことができるようになります。
ほっといたらダメなタイプ②:集中力がない子
中学生の勉強において集中力はとっても大切な能力です。集中力がないということは、注意力が散漫になりやすく、勉強していても、少しのキッカケで簡単に集中は切れてしまいます。
授業中にうっかり窓の外を見てしまったり、勉強を始めてすぐに他のことに気が向いてしまいます。
勉強自体は苦手ではないとしても、集中力が低いと長時間の勉強が難しく、学習内容を理解したり深く考える機会を失うかもしれません。
この状況を改善するためには、子供に対して、集中力を高めるためのサポートをしてあげるのが大切です。
集中力の鍛え方として、まずは10分、15分などの短い時間でもいいので、確実に集中できるようにトレーニングをしましょう。
集中力も筋肉と同じで、訓練すればするほど強くなるのです。
また、集中力が低い子の中には、勉強する環境が悪い可能性もあります。気が散る場所での勉強は、集中力低くない子でも、注意が散漫になりやすく、効率が悪くなってしまいます。
ほっといたらダメなタイプ③:気が散る環境で勉強している子
勉強をしない子の中で特に多いのがこの「環境が悪い」という理由です。
部屋にゲームやパソコン、漫画などがある場合、一時的に勉強することはできても、少しの休憩をはさんでしまうと、勉強に戻ってくるのはかなり難しくなります。
スマートフォンの通知など、周囲の雑音に簡単に注意が向いてしまい、その結果、勉強に集中するのが難しくなります。以下の内容で文法的に間違っている部分や誤字脱字があったら教えて
このような子どもたちには、静かな環境で学べる場所を提供することが重要です。勉強の邪魔になるような物を近くに置かないことが大切です。
自分の部屋にパソコンやゲームなどがあり、移動するのが難しい場合は、リビングなどで勉強するのが良いかもしれません。
ほっといたらダメなタイプ④:落ち込みやすい子
「落ち込みやすいタイプ」の子は、自分自身に厳しい面があります。
自己評価が低い子どもと似ている部分もありますが、大きな違いがあります。それは、心がとても繊細で、失敗や失敗をしたと感じるとすぐに心が落ち込んでしまう点です。
例えば、テストで自分の目標としている点に届かなかったり、ある問題が解けなかったときなど、勉強でうまくいかない状況に直面すると、一気にやる気を失ってしまう可能性があります。
精神的に落ち込みやすい子は、自己嫌悪になりやすいので、勉強でうまくいかないと一気にやる気が落ちてしまいます。
少しのミスでも落ち込んでしまうような、完璧主義に近い子には、少し目標を下げるのが効果的です。確実に目標を達成させて自信を付けさせてあげることが大切になります。
勉強しない中学生に対して親ができること
勉強しない中学生に対して、親ができることとして最も大切なのが、勉強できる環境を用意することです。
勉強をやらないとダメだと分かっていても中々できずに悩んでいる中学生は多くいます。
そこには勉強しにくい環境が大きく影響しています。仮に「スマホさわり放題」「テレビ見放題」「漫画読み放題」の環境を想像してみてください。
この「スマホを触りたい」「漫画を読みたい」という誘惑を断ち切って勉強を続けるのはとっても難しいことは簡単に想像することができます。
勉強できる環境が整えば、自然と勉強に取り組む習慣も身につくようになります。
実際に、2019年の文部科学省の調査によると、「自分の興味関心を追求する学び」が子供たちの成績UPにつながると報告しています。
勉強しない子に対して、いくら口うるさく言っても子供のやる気は上がりません。まずは、勉強をやる気になる環境づくりから始めましょう。
勉強しない中学生に有効な環境とは?
具体的に勉強しやすい環境と言っても色々な方法がありますが、特に気を付けたいのが、勉強する場所です。
子供が自分の部屋で集中して勉強できているのであれば問題ありませんが、人間はどうしても人目の無い場所では、気が散りやすくなります。
何かの拍子にスマホを触ったり、10分休憩するつもりで音楽を聴いて、そのままやる気が無くなったりと原因はたくさんあります。
子供が勉強に集中できる環境を作ってあげることが大切です。オススメはリビングなどの親のいる所で勉強をさせることです。
また、元々集中力が続かない子には、学びの楽しさを追求した進研ゼミのような通信教育がオススメです。
学ぶ楽しさを感じながら効果的に勉強を進めることができますよ♪
まとめ:勉強しない中学生をほっといても大丈夫?
勉強しない中学生に対して「なぜ勉強しないか?」「どうすれば勉強するようになるのか?」を考えることが大切です。
そこには必ず「勉強しない・勉強したくない」理由があります。その中でも大きく影響するのが勉強する環境です。
勉強する環境が悪いと、勉強をやる気にならなかったり、勉強を始めてもすぐに他の事をして集中力が途切れてしまいます。
ただ、勉強しないからといって「勉強しなさい」と、むやみに怒ってしまうのはNGです。
無理に勉強させるのではなく、勉強をしない原因を考えて勉強しやすい環境を用意してあげましょう。
また、勉強しない子の中にも「ほっといても伸びるタイプ」と「ほっといたらダメなタイプ」がいます。
ほっといても「伸びるタイプの中学生」
- 好奇心が強い
理解力が高い
問題解決能力が高い
ほっといたら「ダメなタイプの中学生」
- 自己評価が低い子
- 集中力がない子
- 気が散る環境で勉強している子
- 落ち込みやすい子
元々理解力が高い子は、授業を聞いているだけで内容を理解し、問題を解くことができてしまいます。このような子には、無理に勉強させようとするのではなく、子供の好奇心を伸ばしてあげましょう。
反対に、自己評価が低い子、落ち込みやすい子には、成功体験をたくさんさせてあげるのが効果的です。